このお城に来て1番うれしかったのは、
ドイツから来たベビーシッターのLちゃんと出会えたこと。
Lちゃんはホストファミリーの3歳になる末っ子ちゃんのお世話をするためにやって来たそう。
こちらのお宅は教育熱心で、子どもたちは空手やバレエ、ピアノなどのお稽古に忙しく、
Lちゃんが雇われたのも、子どもたちにドイツ語の教育をしてほしいためでした。
ご両親はフランスとカナダの国際結婚のため、子どもたちはフランス語も英語もネイティブ!
さらにドイツ語を習ってトリリンガルを目指すとは、羨ましい!
本来Lちゃんはベビーシッター以外のことはしなくていいのですが、
きれい好きの彼女はいつも食器を片付けたり、子ども部屋の整理をしてみたりしていました。
そう、前回の記事で薄々感じていただいた方もいると思いますが、
こちらのホストファミリーは整理整頓ということが苦手なようなのです。。
たとえば、食べ終わった食器類や残り物をそのまま放置していたり、
お菓子のパッケージやティッシュなどのゴミをその辺に放置したり、
脱いだ服や出したおもちゃをその辺に放置したり。。
というか、あらゆるものがそこいら中に放置されているのです!涙
なので、ある日のわたしのお仕事は、靴下のペア探し!
家族5人分で、黒とかグレーは似たようなのばかりでトリッキーでしたが、1時間半くらいでそろえました!
カゴに入ってるのが、ペアのあったもの。
残念ながら半数以上がペア行方不明でした。涙
そしてホストパパもママも指示出しが苦手ということが判明。
というのも今までのホストファミリーは、事前に時間と仕事内容を教えてくれていて、
変則的なお家でも、「明日は何時から○○をお願い^^」
といった感じで前日には指示をもらっていました。
ところがこちらではフェア以降は具体的な依頼がなく、
電波が悪いのも相まって、こちらから連絡をしてもなかなか返事がないという状況でした。
仕方がないので午前中は連絡が取れるまで台所とダイニングの掃除をして、連絡を待っていました。
そんなある日、子守中のLちゃんが末っ子ちゃんのお昼寝時に声をかけてくれ、
まだ見ぬお城の上階を案内してくれることになりました。
上階へつながる螺旋階段は大理石のようなつるつるの石でできており、
ワクワクもしながらついたリビングルームを見て唖然…
これは…強盗が最近入ったのかな?
というほど物が散乱していて、正直なところおよそ人が生活するための空間ではありませんでした。
あっけに取られるのも束の間、さらにすごいからと最上階に行ってみると、
ゴミ屋敷やんけ!!とツッコミたくなる空間が広がっておりました笑
なんたって腐ってカビカビになったレモンや猫の餌らしきものもそのままになっていましたからね!涙
しかし二人で窓を開けてみると、そこには絵のような美しい自然と空が広がっていたのです。
こんなに素敵なお城なのに、もったいなすぎる…
Lちゃんとわたしの意見が一致した瞬間でした。
『わたしたちがやるしかない…!!』
何よりも子どもたちが可哀想で、まずは末っ子ちゃんと次男くんの部屋から取り掛かることにしました。
壊れているのに放置されたカーテンレールを撤去し、安全な場所に移動させ、
もう使わないのにまだあるベビーベッドや、他にも不要な家具などを整理していきました。
昼寝から起きた末っ子ちゃんも手伝ってくれることに!
カオス化していたおもちゃ箱をひっくり返し、
人形やブロックなど、カテゴリーごとに入れ替えていきました。
なぜかおもちゃ箱にはまち針や、尖ったプラスチック片なども入っていて驚きました。
今まで子どもたちが怪我をしなかったのが幸いです。
散乱していた服も集めて畳んだり、洗濯場所に運んだり。
最後に掃除機をかけて、ついに部屋がキレイになりました!!
やり始めたときは終わる気がしませんでしたが、
Lちゃんとほぼ二人でも3時間はかからずに終えることができました。
なかなかいいコンビみたいです!
するとホストママもコイツできるなっと思ったのか、
翌日にはグリーンルームの整理整頓を頼まれました。
グリーンルームは、本来子どもたちの遊び場ということですが、大きなテレビとソファも置いてあり、
サッカーの試合や映画を家族で見る時に使っているようでした。
まあ、わたしにはここでどうやってテレビを見るのか、全く想像できない有様の部屋だったんですけどね笑
最初はこれどこから始めればいいのよ…
と途方にくれたのですが、ざっと脳内でやることを考えて早速取り掛かりました。
またもなぞにスペースを取っているベビーベッドの解体から笑
が、解体するまでもなく、触れたら崩れ落ちまして、
枠とベッドは楽々でバラバラにすることができました。
子どもたちが怪我しなかったのが、不思議なくらいです。。
それから黙々と片付けていると、風邪気味で寝ていたLちゃんがやって来ました。
わたしが今までの作業の話をすると、「わたしも手伝う!」とLちゃん。
風邪気味なのに大丈夫かと聞きましたが、それよりも整理整頓を早くしたいようです笑
むしろ元気を取り戻したLちゃんとともに、またもおもちゃのカテゴライズを開始しました。
するとカーテンの後ろにボードゲームを発見!
が、Lちゃん曰く、ほとんど中身が空っぽで、箱しかないのだというのです。
それもそのはず、おもちゃの整理をしていたら、
何かのカードやコマのようなグッズがたくさん見つかりました。
しかしわたしたちにはどれがどのゲームか判別はつかず。。
それらしくカテゴリー分けするしかありませんでした。
途中でハーモニカを発見し、Lちゃんに見せると、
まだ使えるかな?とおもむろに吹き始めたLちゃん。
ええええ!!勇気あり過ぎ!!!
…あなた風邪気味なんだから、やめときなさいよ!!!
思わずガチでつっこみましたが、「全然大丈夫だよ!」とのことでした笑
わたしにはできない。。
その後も大量のDVD・ブルーレイや、アンティーク小物などを整理整頓していき、
ついに床が見えたときには二人でハイタッチしました(笑)
最後に掃除機をかけ、キレイになった部屋のソファに座り、二人でお茶したのはいい思い出です笑
このお家には2週間の滞在予定で、いよいよあと数日で予定日となりました。
わたしが最後に頼まれたのは、あの螺旋階段に乱雑に積まれた本の山を移動することと、
最上階の掃除でした。
でもホストママからは「もし最上階の整理整頓もしたかったら、やっていいよ!」というメッセージ。。
なんでちょっと上からなんだ笑
いろいろ疑問はありましたが、あの腐ったレモンをとにかく捨てたいし、
子どもたちのために少しでも清潔な場所を作ってから去りたいと思いました。
Lちゃんは熱こそないものの、依然として鼻水や不快感に悩まされているため、
今回は完全に一人で立ち向かうことに!
(ああ、いわんこっちゃない笑)
まず本の山は、階段を何往復もして運び切り、
頼まれてはないけどすごいホコリだったので、掃き掃除もしました笑
またしてもなぜかガラス片がたくさん散らばっていて、掃いてよかったと実感。
一人きりだし時間も限られていましたが、3階の部屋も自分の納得のいく状態には掃除できました。
あとは、もう使わないであろう衣装や赤ちゃん用品などを
ホストパパとママが整理してくれることを祈るばかりです。。
整理の終わった部屋を見たLちゃんも、めちゃめちゃ喜んでくれました。
ホストの代わりに「Thank you!!!!!」と、激し目に感謝の意も伝えてくれたので浮かばれた笑
(頼まれるけど感謝はあまりされないお家でしたのでw)
誰かと同じ気持ちを共有できるって、とても大切なことですね。
そして住環境というのは、人の性格や精神衛生にかなり影響するんだなと感じました。
結局一番衝撃を受けたリビングルームに手を付けることはできませんでしたが、
ある日見たら、ちょっとずつ誰かが整理をしているらしい後が見受けられました。
Lちゃんも驚いていたので、ホストママかパパがやったのかな?
正直掘れば掘るほど部屋は出てくるし、もう何十年と誰も通っていなさそうな空間とかもあって、
このお宅にはプロの掃除屋さんかメイドさんが必要だと思われます。
あーわたしお城に住んでなくて本当によかった!!!笑
ワイン作りは学べなかったけど、いろいろと勉強になった日々でしたw
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